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弱酸性は肌にやさしい?

最近、スキンケアだけでなくボディケア、シャンプーなどの宣伝でも、「人間の皮膚は弱酸性だから洗うものも弱酸性が低刺激でいい」という広告文句を耳にします。「皮膚と同じ弱酸性」といわれると、なんだか納得してしまいますが、実際はどうなのでしょう?

まず、酸性・アルカリ性を計る斜度に、pHがあります。pHは0~14までで、真ん中の7が中性で、水が中性です。人間の皮膚はpH5くらいなので、弱酸性です。ふつうの石けんはpH10~11のアルカリ性です。皮膚のpHと5も差があるから刺激が強いというのが、広告文句の理論です。

しかし、昔から安全に使われてきた普通の石けんに刺激があるというのは、ずいぶん不思議な気がしませんか?石けんはpH10といっても、洗ったりすすいだりするうちに水やお湯で薄められて、アルカリ度は弱くなっています。しかも水道水は中性ですので、洗い流した後の肌は中性になっています。仮に洗顔後、皮膚に石けん成分が残っていたとしても、肌の酸度で十分に中和できるレベルです。

一方、弱酸性(pH4~5)の洗顔剤ですが、pHが酸性に傾くほど洗う力は弱くなるので、洗浄力を補うものが必要になります。それが合成界面活性剤や乳化剤になります。私たちはこちらのほうがよほど心配なのです。アルカリの刺激を回避しても、強力な界面活性剤や乳化剤で皮膚のバリアが壊されては何の意味もありません。シャンプーなどは頭皮にすり込まれやすいので、さらに注意が必要です。

たしかに、肌の調子が悪いときや、敏感肌の人には石けんのアルカリ度が刺激に感じられる場合もあります。その場合は、pH9程度の弱アルカリ性のものを使うといいでしょう。pHを落としたぶん汚れ落ちは悪くなりますが、乳化剤などで洗浄力を上げたものよりはよほど低刺激です。